このところ、村上春樹さんについて書かれたものを読んでいる。村上春樹さんが書いた小説等ではなく、他の書き手が村上春樹さんについてあれこれと論じたものだ。しかし、当初設定したプランに追いつかず、ノルマが心の重荷となっている。
ともあれ、今日は、元編集者による書物を読んだ。話題の書き手であるため、雑誌などでこの書き手が記す文章を読んだことはあったのだが、エッセイのためかピンときたことはなかった。なぜこの書き手が評価されているのかもよくわからなかった。しかし・・・一冊読んでわかった。授業で使える箇所もない(付箋をはった箇所がゼロだった)、なにか啓蒙されることや、新しい視点が提示されるわけでもない。さらに文章といえば、思いつくままに記されているという具合。問いに対する答えがないことも。しかし、何か読後に温かいものを残す。この書き手の魅力は、何か一つの言葉にとても感動してしまうような、さりげなく滲み出る正直さといったものなのだと思う。文章自体が、その人の人となりを映していたり、あるいは人生そのものだったり・・・そういうことを信じたい、信じている書き手なのだと思った。
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ずっと昔から、とくに日曜日の夕方など、一人部屋にいると、窓から差し込む夕闇を感じては、なんともいえない虚しさや将来への不安や、そういったものがどっと押し寄せてきた。それは、今も変わらない。自分が果たすべきことをしていないのではないかという気持ちや、何もしないまま、何者にもなれないまま、「終わってしまう」のではないかという焦燥のようなもの。
今日読んだものは、研究や批評というものではなく、そういったものを表現する文章のかたちもあるのだということを、教えてくれた書物だった。
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